ヘッドアンドショルダーを使う上で考えるべきこと!これを知らないと損をするかも?

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ヘッドアンドショルダーをWikipediaで調べてみると、以下のように解説がされています。

 

大きな相場ではしばしば相場が成熟してくると、上昇ピッチが加速され、高値をつけ一旦天井を打つ。その後、反落し安値を付けると再び上昇に向かい、先の高値を上回る高値を付ける。そして再び下落すると再度安値をつけ反転し、再び高値圏に向かおうとするが最高値を奪還できず反落し、その後は相場は下落に向かう。

引用元:Wikipedia

 

ヘッド・アンド・ショルダーウィキ

画像を使って説明すると上記のようなことになります。

 

ヘッドアンドショルダーはメジャーなチャートパターンなので、「ネックラインを下抜けたら売り」のような説明は改めてするまでもないでしょう。

 

ただ、ネックラインを抜けると、どうして下落していくのか?という背景状況については説明されていることが少ないので、今回はその辺りを解説してみようと思います。

 

ちなみにダブルトップ、トリプルトップなどの他の反転パターンは、ヘッドアンドショルダーが変化したものなので、ヘッドアンドショルダーを理解するだけで良いです。


ヘッド・アンド・ショルダー2

(TL)トレンドライン (A)高値 (B)安値

 

ヘッドアンドショルダーが作られるためには、画像のような上昇トレンドが発生していることが前提となります。

 

ですので、ヘッドアンドショルダーが発生したと思っても、少し前を確認したときトレンドが発生していないなら、それはヘッドアンドショルダーではありません。

 

まず上昇トレンドが作られる背景を見てみると、以下のような思惑を持った人達が見えてきます。

 

■買い待ちしている人

トレンドライン(TL)付近で買おうとしている人

前回の高値を上抜けてきたところで買おうとしている人

 

■売り待ちしようとしている人

トレンドラインを下抜けたら売ろうとしている人

前回の高値付近で売ろうとしている人

 

■損切りしようとしている人

前回の高値を超えてきたら損切りをしようとしている人

前回の高値まで戻ってきたところで損切りをする人

 

他にも色々な思惑をもった人達がいるとは思いますが、いずれにせよ買いが多くなるため上昇しているということです。

 

つまり、上昇トレンドは「どんどん買いのポジションが増えている=買いポジションを持っている人が多くいる状態」となります。


ヘッド・アンド・ショルダー3

ひとつ前の画像の状態から少し下げ、新たに(C)の高値をつけたとします。

 

このような状態は、まだトレンドが続いているので、(A)からの押し目買い、(TL)からの押し目買いなど、「買っていこうとする人達が多い状態」となります。

 

ただ(A)の高値を下抜けてくると、「もしかするとトレンドが終了するかもしれない」と考えだす人達も増えてきます。

 

なぜなら、勢い良く上昇していくトレンドなら、前回の高値を下抜けずに上昇をしていくことが多いためです。

 

なので(A)の高値を下抜けてきたところで、トレンドが終わるかもしれない。または弱くなってきていると見て、利食いをする人達も増えてくるでしょう。

 

ですが(A)を下抜けても、その下には(TL)がまだ控えていることもあり、一気に下落することは少なく、(TL)まで下げたところで、一旦下げ止まる可能性は高いと考えることもできます。

 

そのため、(TL)まで下げたところで反発上昇するようであれば、(A)を下抜けたところで一旦利食いをしていた人が、改めて買ったり、買いそびれていた人が新たに買うため、(TL)を起点に再び上昇したりします。

 

そして、また新たな高値を作ったなら、まだ上昇トレンドが継続すると見る人達が増え、さらに買いが進んでいく可能性が高くなります。


ヘッド・アンド・ショルダー4

(A)で上昇せず、(TL)でも上昇せずに下抜けてきたとなると、いよいよトレンドが終了するかもしれないと考える人達が増えてきます。

 

ただ(B)の安値を下抜けてくるまでは上昇トレンド継続中となるため、まだ買っていこうという人達も少なからずいる状態です。


ヘッド・アンド・ショルダー5-2

(B)の安値を下抜けてくるまでは上昇トレンド継続中と見て買う人達、(TL)を下抜けたところでダマシと考えて買う人達などの影響で少し上昇し、新しく(D)という安値が作られます。

 

ヘッド・アンド・ショルダー6-1

もし、ここから(C)の高値を超えていくようなら上昇トレンドは継続中となり、新たに買っていく人、損切りする人の影響で上げていく可能性が高くなります。

 

トレンドに陰りはでてきたものの、(D)の安値をつけた状況を見る限り、まだ上る可能性は残っているため、ここから上げてくるのかもしれないと考える人達もいる状態です。

 

ただ、それとは逆に、ここから下げてくるかもしれないと考える人達も多くなることから、方向感がなくなりレンジになることも少なくありません。


ヘッド・アンド・ショルダー6.5

(C)の高値を超えることなく、再び下げ始め(E)の高値を作ると、ヘッドアンドショルダーになるのではないかと考える人達が増えてきます。

 

(E)の高値が作られた時点で(B)と(D)を結び、ネックライン(NL)として認識できるようになります。


ヘッド・アンド・ショルダー7

(NL)を抜けた時点でヘッドアンドショルダーの完成となり、買いポジションを持っていた人は、これ以上は上がらないと判断し、利食いや損切りを始めます。

 

それが引き金となり、これまで「上昇トレンドで溜まっていた買い」が売られだすことでさらに下落していきます。

 

これがネックラインを抜けると下落が進む理由になります。

 

こういった背景的状況を理解しているのと、理解していないのとでは、取れる選択というのが変わってきます。

 

ですので、知らずに損をすることはあっても、知っておいて損することはありません。

 

例えば、背景を理解せず、「ヘッドアンドショルダーはネックラインを抜けてきたら売り」と覚えてしまっている方は、「ネックライン抜けで売り」という選択しかありません。

 

しかし背景を理解し、「買いが溜まっている」というのが、ヘッドアンドショルダーが作られる原因となり、下落の引き金になるのも「買いが溜まっている」ことが原因とわかっていればどうでしょうか?

 

買いが溜まっていないなら、ネックラインを抜けてきたとしても、それほど下がらない(下がりようがない)可能性が高いから、このネックライン抜けは見送ろう。といった選択もできるはずです。

 

ヘッド・アンド・ショルダー8

他にも、買いがそれほど溜まっていないのであれば、(NL)を抜けても、(B)に下値を抑えられ、レンジ相場になるかもしれないと考え、(B)で試しに買ってみようという選択もできたりします。


ヘッド・アンド・ショルダー9

(F)(G)と高値安値が切り下げされ、(B)の安値を抜けてくると慎重派の人達もトレンドが転換したと見て、売りポジションを持ち始めるため、さらに下落へと転じていく可能性が高くなります。

 

ただヘッドアンドショルダーの場合(NL)を抜けた後、(F)の戻りをつけずに一気に下げてくることもあるので(通常上昇より下降のほうが進むスピードが早いため)、(NL)を抜けたところでエントリーをしたほうがチャンスを逃さずに済むことが多いです。

 

ですが、それも「買いが溜まっている」のが前提となります。

 

補足

ヘッド・アンド・ショルダー14

ちなみに実際は、肩や頭に当たる部分が1つの高値ではなく複数になることは少なくありません。

 

ヘッド・アンド・ショルダー15

またネックラインは右肩上がりになることが多いですが、水平や右肩下がりになることもあります。

 

どちらの場合も、右肩上がりのヘッドアンドショルダーと考え方は同じです。

 

ただし右肩下がりのネックラインは、(E)の高値をつけた後(D)の安値を抜けるまでの距離が長くなるため、完成までの時間は長くなります。

 

ヘッドアンドショルダーの目標価格の考え方

1つ目の考え方

ヘッド・アンド・ショルダー10

ヘッドアンドショルダーは、(C)から(NL)までの距離を、(NL)を抜けた位置にもってくることで、おおよそ目標価格が判断できます。

 

これはヘッドアンドショルダーの最低目標価格といわれるものなので、そこまでは進む可能性が高いとされています。画像でいうと下の点線が目標価格です。

 

ただし、必ず目標価格まで届くということではありません。

 

目標価格の前に抵抗となるポイントがあり、そこで反発するようなら早めに決済するという判断も必要になります。

 

2つ目の考え方

ヘッド・アンド・ショルダー11

これはサポートを目標価格とした考え方です。

 

(NL)から(B)までは距離が近いように感じるかもしれませんが、パターンが完成した時間軸が「週足」や「日足」だとすると、数百pipsから1000pips以上となるため、デイトレードであれば十分狙っていける距離になります。

 

3つ目の考え方

ヘッド・アンド・ショルダー13

こちらも「日足」や「週足」でヘッドアンドショルダーが完成したときに考えられるトレードプランになります。

 

繰り返しになりますが、週足だと(D)と(B)の間が1000pips以上あっておかしくありませんし、日足でも数百pipsはあってもおかしくありません。

 

ですので、(NL)を下抜けた時点で(B)までは売り目線、(B)からは買い目線、(D)まで上げてきたら売り目線と考えることができます。

 

4つ目の考え方

ヘッド・アンド・ショルダー12

これは「ヘッドアンドショルダーになるかもしれない」と考えたときの目標価格になります。

 

(E)の高値をつけた時点でヘッドアンドショルダーになるかもしれないと考えることはできるので、そこから(NL)(B)(Bの前の安値)までを狙って売っていくという考えになります。


どこを目標価格にするかという正しい答えはありませんが、目標価格を決める上でも「買いが溜まっているのか、溜まっていないのか」を考えるのを忘れないようにしたほうが良いです。

 

継続パターンとしてのヘッドアンドショルダー

ヘッド・アンド・ショルダー16

ヘッドアンドショルダーは反転パターンになりますが、トレンドの途中で継続パターンとして出現することもあります。

 

そういったときも反転パターンのヘッドアンドショルダーと考え方は変わりません。

 

ただ何度もヘッドアンドショルダーで下げるためには、買いが溜まっていることが必要と言ってきましたが、継続パターンは逆です。

 

継続して下げていくのには、ヘッドアンドショルダーが作られる前に「売りが溜まっている」ことが必要となります。

 

チャートでヘッドアンドショルダーを解説

フォレックステスターを使っての解説になります。

 

ケーススタディ1

2015-10-13_17h10_25

ヘッドアンドショルダーが発生するにはトレンドが前提条件となるので、まずトレンドを確認していきます。


2015-10-13_17h11_08

この段階では、まだ(NL)を下抜けていないのでヘッドアンドショルダーは完成していませんが、上昇トレンドに異変が起きている状態にはなります。

 

こういったとき買いポジションを持っている人は、この時点で決済。もしくは(D)を下抜けるまでは保有。のような判断を迫られている状態となるので、値動きが不安定になったりします。


2015-10-13_17h11_33

(NL)を下抜けたことでヘッドアンドショルダーの完成となり、仮にそこで売りエントリーをしたとすると目標価格は点線の辺りになります。

 

(NL)抜けは、一般的に終値で抜けた時点で、抜けたと判断されることが多いようです。

 

ただ、個人的には抜ける瞬間に売りの勢いが十分に感じられるのであれば、終値の確定を待たずに売っても良いと考えています。


2015-10-13_17h12_20

(NL)を抜けた後は、損切りや、新たな売りなどによって目標価格まで下げていったようです。

 

ちなみに、新たな売り買いよりも、誰かの損切りが大きくレートを動かす原因となることが多いので、どこで損切りがされそうか?と考えたほうがポジションは作りやすいです。

 

ケーススタディ2

2015-10-14_05h56_27

トレンドラインは引いても引かなくても、どちらでも良いのですが、ここではわかりやすいように引いています。


2015-10-14_05h57_17

ヘッドアンドショルダーは、トレンドが発生していることが条件となりますが、トレンドが発生しているからといってヘッドアンドショルダーが作られるのを待つのはオススメできません。

 

トレンドが反転するときに必ずヘッドアンドショルダーになるわけではないので、作られるまで待つという考えでいると、すでに反転しているにも関わらず、いつまでもトレードができないということになりかねません。

 

ですので、(E)の高値が作られた時点で、もしかするとヘッドアンドショルダーになるかもしれないと考えるようにすると良いでしょう。


2015-10-14_05h58_22

(NL)を下抜けてヘッドアンドショルダーが完成したため、点線までを目標として売りポジションをもったとします。


2015-10-14_05h59_38

その後は、目標価格まで下落していきました。

 

ただ、ケーススタディとして目標価格まで下落するポイントを抜き出しているだけなので、(NL)下抜けたところで売ったのに、上昇して損切りになることは当たり前のようにあります。

 

ですので、そういったとき気落ちしないようにしましょう。

 

ケーススタディ3

他のケーススタディと同じなので、解説は省略します。

2015-10-14_06h02_45

2015-10-14_06h03_45 2015-10-14_06h04_24 2015-10-14_06h05_07

 

ちなみにケーススタディは、日足と1時間足で解説していますが、時間軸に関係なくヘッドアンドショルダーは発生します。

 

時間軸の違いで考え方が変わるということもありません。

 

逆ヘッド・アンド・ショルダーの解説

逆ヘッド・アンド・ショルダー

逆ヘッドアンドショルダーは、ヘッドアンドショルダーを逆にしたものと考えて差し支えありません。

 

ヘッドアンドショルダーとの違いは、ヘッドアンドショルダーは(NL)を抜けた後、(NL)まで上げないことが多いとされるのに対して、逆ヘッドアンドショルダーは(NL)まで下げることが多いとされています。

 

ですので、ヘッドアンドショルダーのときは(NL)抜けで売りエントリー、逆ヘッドアンドショルダーのときは(NL)を抜けた後(NL)まで戻してきたところで買いエントリーとしている方もいるようです。

 

ただ個人的にはヘッドアンドショルダーと逆ヘッドアンドショルダーに違いを感じることは少ないので、それほど意識していません。

 

こういった考え方に正解はないので、自分で実際に確認して判断して頂ければと思います。

 

以下、ヘッドアンドショルダーを逆にしただけの画像となるので解説は省略させて頂きます。

 

逆ヘッド・アンド・ショルダー2   逆ヘッド・アンド・ショルダー5  逆ヘッド・アンド・ショルダー7

逆ヘッド・アンド・ショルダー9

 

逆ヘッドアンドショルダーの目標価格の考え方

こちらもヘッドアンドショルダーと考え方は同じになるので、解説は省略させて頂きます。

 

逆ヘッド・アンド・ショルダー10 逆ヘッド・アンド・ショルダー11 逆ヘッド・アンド・ショルダー12 逆ヘッド・アンド・ショルダー13 逆ヘッド・アンド・ショルダー16

 

チャートで逆ヘッドアンドショルダーを解説

こちらも解説は省略させて頂きます。

 

ケーススタディ1

2015-10-14_05h02_59 2015-10-14_05h04_42 2015-10-14_05h04_54 2015-10-14_05h05_53

 

ケーススタディ2

2015-10-14_05h09_49 2015-10-14_05h11_49 2015-10-14_05h12_08 2015-10-14_05h13_19

 

まとめ

ヘッドアンドショルダーと綺麗に認識できることは少ないので、ヘッドアンドショルダーを使ってトレードをするのは難しいと感じる方も多いでしょう。

 

ですが、今回の説明を読んでもらうとわかるかと思いますが、ヘッドアンドショルダーを認識できることが重要なのではなく、そのパターンが作られる背景を知ることが重要になります。

 

「ネックラインを抜けると下落する」と覚えるのではなく、ネックラインを抜けると「こういう背景があるから下落する」と覚えることが大切ということです。

 

ここでいう背景は、「人がどういったときにポジションを作るのか?作ったポジションをどこで解消するのか?」ということになります。

 

そういった背景というのは、チャートパターンが作られるときだけ起きていることではなく、常に起きていることです。

 

ですので、常に他人のポジションがどうなっているかということを考えながらトレードをしてみると、トレード結果にも違いがでてくるのではないかと思います。

 

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